末法思想の書?

4,5年前からこのタイトルが目に付いていたのだが、ずっと無視をしてきていた。

あんまり好きになれそうに無い内容だったからだ。

それが先日ブックオフで105円で出ていたので、新しい缶コーヒーを飲むのと同じくらいの感覚で買った。

精神世界では今、2012年がどうの,フォトンベルトがどうの、アセンションがどうのとある種の末法思想が闊歩してい
る。

この本はまさに末法思想の書だ。

書いた本人はいたって真面目なのかもしれないが、この本や類書にに影響を受けたなんちゃってチャネラーや、低級
霊に憑依された思い込みチャネラーが、その内容をある種の脅しに使って現実逃避壁のある不安定な精神状態の人
達を更に現実から眼をそらさせてしまう可能性がある。

また、チャネラーや精神世界リーダーとは縁が無くても、一人で精神世界に迷い込んでこの手の本を手にとってしまっ
たために、地に足がつかなくなってしまった人も多いことだろう。

「その時」が来た時、人は振るいにかけられるらしい。

高次元の存在となるのか今のままでいるのか、天国に行くのか地獄をさまようのか。

「その時」は必ずやってくるから、天国に行く準備をしましょうと言うようにして、心の弱い、自分だけは助かりたい、自分
だけはいい眼をしたいと言う人の欲をくすぐるのだ。

新興宗教の多くとよく似ている。
信じた人だけ救われる、信じない人は捨てられる。

当然、天国に行く側の選ばれた人になろうと謳う商売(セミナーや書籍など)が繁盛する。
今の精神世界のセミナーの多くがそうだ。

たいていが2012年フォトンベルト・・・と語る。

そんなに自分だけ良い目を見たいのか?

その意識が邪魔なのだと言うことに何故気付かない?

ただ、日々を懸命に愚痴も言わず、人も呪わず全てを受け入れて生きていれば、それでいいじゃないか。
別に2012年にこだわる必要も無い。
高次元にこだわる必要も無い。

どの場においても与えられたことを懸命にこなしていけばそれでいいじゃないか。

それをする覚悟の無い人が、アセンションをあたかもどんでん返しのようなものと期待しているように思えてならない。

そう言う人が増えることこそが世も末だと思う。

しかし、今よく言われていることがどう言うことかが、それなりに分かる本ではある。

そして、この本を読んでいて、何故この本が古本屋にあったのかが分かった。

この本で著者が大変化が起こると言うその期日はもう過ぎてしまっているのだ。
つまり、この本の前のオーナーはこの本の予言は外れたのだと判断して売りに出したのだろう。

確かにこの本の中では2006年と言うのが一つの大きな変化の時期になっているが、この本に書かれているようなこと
が起こっている形跡はない。(多少はそれらしき兆候は見られるが・・・)

しかし、今でもフォトンベルトがどうの、2012年がどうのと言う話題は続いている。
多少は予言が外れても、それまでは何かが変わることを期待する、何かが変わることに賭けている人たちがそれだけ
多いと言うことなのだろう。

これでは、世紀末にメシアの降臨を待つ人々と何ら変わらない。

しかも、その本には最後には誰もが皆、高次元の存在にシフトすると書いている。

じゃあ、何も気にしなくていいじゃないか。
その時のことをあれこれ書いて扇動しなくても、対処はできる。

ひたすら今を大切に生きていればいいのだから。

しかし、感心したのはこの本には「分離」と「合一」と言う言葉が繰り返し出てくること。
これは私が、レイキの目的でいつも繰り返して一定ることと同じである。

「自他の間に自分が引いた線が幻であることに気付くことがレイキの目的である」

五戒をとことん実感すれば、そのことが必ず分かる。
そこまで行くのがレイキ実践の目的なのだ。

ちょっとはいい事言うじゃない、ゲリー・ボーネルさん。

最後に、ゲリー・ボーネル氏の名誉のために言います。
彼はこの本を通して、自分が得をしようとしたり、我々に我利我利亡者になるように煽っているわけではありません。

そうするのは、低級なチャネラーさんやスピリチュアリストの人たちです。

彼はただ何となく知っってしまったことを、知らせて回って見たかっただけです。


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